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教養・歴史 鎌田浩毅の役に立つ地学

恐竜絶滅の引き金 世界中に隕石衝突の痕跡/26

 恐竜の絶滅は地学でも第一級の話題で、たった1個の隕石(いんせき)衝突で滅び去ったストーリーは有名だ。今から6600万年前、アンモナイトなど海棲(かいせい)生物の7割が大量絶滅し、陸上で繁栄していた恐竜も滅びてしまった。こうして中生代が終わりを告げ、哺乳類の時代である新生代へ移行した大事件である。

 1980年、恐竜が地球外から飛んできた巨大隕石の衝突で絶滅したという説が米国の物理学者から提出された。中生代末に恐竜が忽然(こつぜん)と姿を消した事実は、地質学による研究で確定していた。ところが、その原因が地球外にあるという考えに対して世界的な論争が起こった。

 生物は長い時間をかけて絶滅することが常識だったので、古生物学者は荒唐無稽(むけい)な話として受け入れなかった。また、インドのデカン高原などで起きた大規模な噴火による環境悪化が主な原因という説も有力視された。

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