移ろう民意と石破氏の諦観 「学術会議」で進む自民の単色化=平田崇浩
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移ろう民意と巨大与党の単色化に追い詰められたと言えようか。自民党の石破茂元幹事長が派閥の会長を辞任した。石破氏を首相にしようと「水月会」(石破派)が結成されてから5年余り。来年9月の自民党総裁選をにらんだ権力闘争からいったん撤収することを意味する「敗北宣言」である。
「今のままで(次の総裁選に向かって)いってもなかなか展望は開けないという事実を直視しないと次の段階にならんでしょう」
石破氏は辞任翌日の10月23日、インターネット番組に出演して本音を吐露した。この5年間の石破氏の戦略と言えば、安倍政権の問題点を指摘しながら出番を待つというもの。内閣支持率が低落すれば、自民党内は衆院選や参院選で大敗する不安に駆られ、石破氏の国民的人気にすがらざるを得なくなるというシナリオだったが、頼みの民意に突き放された。
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週刊エコノミスト
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