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小説 高橋是清 第119話 大正政変=板谷敏彦

    (前号まで)

     辛亥(しんがい)革命により清朝が終焉(しゅうえん)、国内では明治天皇が崩御し大正が始まった。正貨危機の中、日銀総裁である是清と山本達雄蔵相の対立が続いていた。

     大正元(1912)年12月2日、陸軍2個師団増設が認められなかった第2次西園寺公望内閣の陸軍大臣上原勇作は、首相を経由せずに単独で天皇に帷幄上奏(いあくじょうそう)し辞表を提出した。陸軍大臣なしでは内閣が成立しない。

     西園寺は長州閥の桂太郎や山県有朋に接触するが、もとより両者に陸軍大臣の後任を推薦する気配はない。

    残り2656文字(全文2900文字)

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