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小説 高橋是清 第120話 大蔵大臣就任=板谷敏彦

(前号まで)

 日露戦争でできた政府の借金で国民の税負担は重く国内に不満の声が渦巻く。護憲運動が高まり大正政変が勃発、第3次桂太郎内閣が総辞職する。

 大正2(1913)年2月20日、第3次桂太郎内閣は護憲運動に伴う騒擾(そうじょう)の責任を取って総辞職した。大正政変である。

 桂は令和元年に安倍晋三首相に抜かれるまで歴代首相在任期間第1位であったが、第3次だけを取り出すとわずか62日間しかなく、終戦時の東久邇宮稔彦親王政権の54日間に次ぐ短い政権であった。 

 失意の桂は間もなく胃がんを発病した。だがこれは本人に告知されることなく、桂は政権への執着を残したまま、この年の10月10日に病死する。65歳だった。

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