小説 高橋是清 第121話 山本権兵衛政権=板谷敏彦
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日露戦争後の社会不安により大正政変が勃発、第3次桂太郎内閣は総辞職する。山本権兵衛内閣が新たに発足、是清は大蔵大臣に就任する。
大正2(1913)年2月22日、山本内閣の組閣から2日後である。
大正政変で辞職した桂太郎に代わり首相に就任した山本権兵衛は、政友会会員の前で政友会の主義、綱領を施政の方針とすることを声明した。
山本権兵衛は海軍で薩摩閥である。桂内閣を倒した護憲運動のスローガン「閥族打破、憲政擁護」をかわして党員を安心させ騒擾(そうじょう)の芽を摘むためだった。
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