地磁気の大きな恩恵 太陽風から生命を守る「バリアー」/30
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地球の北極と南極付近からは「地磁気」と呼ばれる磁力線が出ており、その影響にある範囲を「磁気圏」と言う。この地磁気は、宇宙空間の中で地球上の生物を守る「バリアー」としての重要な役割を果たしている。
地球は真空状態の宇宙から有害な「宇宙線」を絶えず浴びている。宇宙線とは銀河や太陽から高速で地球に降り注ぐ「素粒子」である。地球の大気圏に侵入すると、大気に含まれる酸素や窒素の原子核と反応を起こす。
地球に到達する宇宙線の中で最大の発生源は太陽であり、電離した粒子は「太陽風」と呼ばれている。太陽の表面は「コロナ」と呼ばれるセ氏100万度もの極めて高温の大気で覆われている。コロナはときどき爆発的に膨張し、陽子と電子の粒子からなる「プラズマ」が太陽の外へ飛び出し地球まで達する。これが太陽風の正体である。
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週刊エコノミスト
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