サウジアラムコ 人民元建て社債発行へ 揺らぐドル基軸通貨=岩間剛一
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サウジアラビアの国営石油企業サウジアラムコが今年11月、中国人民元建ての社債発行の可能性を表明した。これは、サウジアラムコの資金調達源を多様化することにつながるとともに、中国にとっても米ドルに依存しない原油取引が可能となる。さらには、世界最大の貿易商品である原油が米ドル建て以外で決済されることで、世界の基軸通貨たる米ドルの威信を大きく揺るがす可能性もある。
サウジアラムコは同じ11月、80億ドルのドル建て社債を発行したが、応募額は481億ドル。昨年4月に120億ドルの社債を発行した際、1000億ドルを超える応募が殺到した状況と比べると、今回の応募は半分にも満たなかった。新型コロナウイルス感染拡大による原油価格の下落や石油需要の減少に直面し、投資家が慎重姿勢を示しているとみられる。
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週刊エコノミスト
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