経済・企業独眼経眼

経済統計が示すコロナ不況の終わり=藻谷俊介

 新型コロナウイルスの感染者数が記録的高水準に達していることで、国内世論には悲観的ムードが漂っている。命の問題は言わずもがな、経済についても多くの人は著しい低迷が続くはずだと考えていることだろう。

 しかし現実の経済統計は、内需、外需を問わず、初期の大規模緊縮によって生じた深い谷からV字回復し、毎月着実に改善を続けている。そして2020年10月になるとコロナ前の水準を回復する主要統計がかなり多くなってきた。

 図1は家計消費の動向だ。6月の特別定額給付金による瞬間的な伸びにとどまらず、着実にコロナ前の水準を上回るところまで消費が回復してきていることが見て取れる。この総務省の統計だけではなく、経済産業省「商業動態統計」の小売販売額にもまったく同様の波形が表れている。

残り739文字(全文1073文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事