週刊エコノミスト Onlineコレキヨ

小説 高橋是清 第125話 第2次大隈内閣=板谷敏彦

(前号まで)

 大蔵大臣に就任した是清は正貨危機解消のため外貨建て鉄道債発行の道筋をつけるが、ジーメンス事件が勃発、山本内閣は総辞職に追い込まれた。

 大正3(1914)年3月24日、第1次山本権兵衛内閣が総辞職。是清も大蔵大臣を辞任した。

 山本内閣は大正政変を機に成立、政友会を与党として行財政整理を進め、陸海軍現役武官制の改正、文官任用令の改正などを断行したが、どう見ても海軍であり薩摩閥でもある。首相の山本自身がいくら潔白であろうとも、海軍高官による汚職、ジーメンス事件の衝撃は大きかった。

残り2480文字(全文2726文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

10月3日号

金利ある世界18 長期金利の居場所の探り合い 10年国債が主役に復活する日■稲留克俊21 絶えざる資産インフレとデフレ■水野和夫22 ドル・円 米金利上昇で景気失速、金利低下 1ドル=130円の円高を目指す■吉田恒24 日本株 企業に生じた「インフレ利得」 「マイナス金利」が追い風に ■黒瀬 浩一2 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事