クラシック 受難楽の夕べ2021 ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京=梅津時比古
有料記事
コロナ禍の時代に欲される めったに聴けない受難曲
12、13世紀以降、ヨーロッパでは無数の受難曲が作られた。日本とヨーロッパの音楽的環境の違いの最も大きなものは、さまざまな受難曲を日常的に聴けるヨーロッパと、めったに聴けない日本との差にあるだろう。
キリストの受難を描く受難曲は、成り立ちから言って、精神的に真摯(しんし)な、深いものが多く、コロナ禍の世界で、まさに聴くことが欲されているのではないだろうか。
もちろん日本でも受難曲の優れた演奏を聴くことができる。鈴木雅明指揮、バッハ・コレギウム・ジャパンによるバッハ《マタイ受難曲》などはその最たるものであろう。
残り949文字(全文1231文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める