新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 書評

若者の文字に絵に写真…… コロナ下の生態が満載=美村里江

×月×日

 コロナ禍で古典文学が人気だったそうだが、『デカメロン』もその一冊だろう。ペストから逃れフィレンツェの郊外に引きこもった若い男女10人が、退屈しのぎで話をしていく全100話の物語集。

『デカメロン2020』(イタリアの若者たち著、内田洋子企画・翻訳、方丈社、2500円)。エッセイストとして私が敬愛する内田さんだが、今回は翻訳と企画。クラウドファンディングで製作された背景含め、「今」の本である。在伊20年超え人脈がスパークした一冊だ。

 イタリアで全土封鎖の首相令が発令された昨年3月12日。内田さんは、知り合いの若者たちへ「文字でも音楽でも絵でも写真でも。好きな方法で、元気かどうか時々連絡をくれないか」と送った。結果、17~29歳の24人による、カラー・大判・250ページ超えの現代版デカメロンとなった。

残り1009文字(全文1366文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事