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資源・エネルギー 鎌田浩毅の役に立つ地学

宇宙の始まり「ビッグバン」 実は正しかった“大ボラ”の説/37 

 宇宙は今から138億年前、何も物質がない「無」の空間に誕生した。その宇宙はできたとたん急激に膨張し、誕生からごく短い時間の後に大爆発した。「ビッグバン」と呼ばれる現象だが、一人の“大ボラふき”の説から始まった。「話は大きいほうがおもしろい」というのは世の常だが、変人科学者が常識を覆す壮大な仮説を提出したのである。

 米物理学者ガモフ(1904~1968年)は1940年代、宇宙は超高温・超高密度の火の玉から始まったという説を出した。「一つの火の玉がはじけて開始する」という考え方は、宇宙は永遠不変の定常的なものという当時の常識からかけ離れていた。あまりにも荒唐無稽(むけい)であったため、ライバルの物理学者ホイルから「ビッグバン」(でたらめの大ボラふき)と揶揄(やゆ)された。

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