主要国経済統計にみる人間の「対応力」=藻谷俊介
米国でバイデン新大統領が大過なく就任式を終え、世界では不透明感がほんの少し和らいだ。
就任演説は、混乱を極めた米国の政治風景を考えれば、全国民の心に直接訴えることを最優先した名演説だったと思うが、経済政策に対しては具体性のある言及がなく、それ自体が市場参加者の参考になるようなものではなかった。
ただ、現時点では混乱が収まるだろうと思わせるだけで十分とも言え、市場はそのことを高く評価したようだ。ワクチン等の大量生産が計画より遅れるのも往々にしてあることで、市場心理を大きく冷やすには至っていない。
新しいフェーズが始まろうとする新春に、世界経済のここまでの推移について正しく認識しておくことは重要である。ただし世界は広い。どの国のどの統計を見るかで、見え方が全然変わってしまう恐れがある。
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週刊エコノミスト
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