経済・企業独眼経眼

主要国経済統計にみる人間の「対応力」=藻谷俊介

 米国でバイデン新大統領が大過なく就任式を終え、世界では不透明感がほんの少し和らいだ。

 就任演説は、混乱を極めた米国の政治風景を考えれば、全国民の心に直接訴えることを最優先した名演説だったと思うが、経済政策に対しては具体性のある言及がなく、それ自体が市場参加者の参考になるようなものではなかった。

 ただ、現時点では混乱が収まるだろうと思わせるだけで十分とも言え、市場はそのことを高く評価したようだ。ワクチン等の大量生産が計画より遅れるのも往々にしてあることで、市場心理を大きく冷やすには至っていない。

 新しいフェーズが始まろうとする新春に、世界経済のここまでの推移について正しく認識しておくことは重要である。ただし世界は広い。どの国のどの統計を見るかで、見え方が全然変わってしまう恐れがある。

残り709文字(全文1055文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事