国際・政治論壇・論調

猛スピードのワクチン接種 英国で「出口」巡り議論活発=増谷栄一

英国は24時間体制でワクチン接種を行う(Bloomberg)
英国は24時間体制でワクチン接種を行う(Bloomberg)

 英国政府が新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)の延長を避けるため、1月18日から猛スピードでワクチン接種を拡大している。コロナ危機からの出口を見据え、政策論議も活発化している。

 ジョンソン首相は1月13日の下院本会議で、ワクチン接種を驚異的なスピードで進める考えを示した。具体的には週7日、24時間体制でワクチン接種を行うというもの。233カ所の病院や82カ所のワクチンセンター、1000人の医師を動員し、200カ所の薬局を通じワクチン接種を急いでいる。7月中旬までにすべての成人への1回目の接種が終わる見通しだ。

 明るいニュースは、ロックダウンやワクチン接種の効果により、1月29日時点での実効再生産数(1人の感染者が何人にうつすかの指数)が0・7〜1・1(1日当たり感染者増加率はマイナス5〜0%)と、感染拡大が止まる約「1」を下回ったことだ。政府の科学顧問は「ロンドンとサウスイースト地区の入院者数が1カ月ぶりに減少に転じ、感染拡大はピークを脱し始める希望が出てきた」(英紙『デイリー・テレグラフ』)という。

残り901文字(全文1370文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事