独でコロナ予防接種に遅れ メルケル政権に高まる批判=熊谷徹
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コロナワクチン開発国の一つであるドイツで、市民への投与が米英に比べて遅れていることについて、同国の政界や論壇では激しい論戦が起きている。
ドイツでは2月3日の時点で少なくとも1回ワクチンの投与を受けた市民の比率が2・3%で、イスラエル(36・6%)、英国(13・7%)、米国(7・8%)などに比べて大幅に遅れている。欧州連合(EU)は、昨年8月以降、ドイツなど加盟国のためにメーカー6社から約23億本のワクチンを購入する契約を結んだ。
ドイツの日刊紙『ヴェルト』の1月29日付電子版によると、バイエルン州政府のゼーダー首相は、「ワクチン不足の原因は、EUによる発注が遅すぎたことと、発注が一部のメーカーに偏っていたことだ。もっと早く注文していれば、メーカーは生産キャパシティーを早期に増やしていたはずだ。EUのミスのために、供給が滞って、病院や予防接種センターでのワクチン投与を延期せざるを得ない事態になっている。EUとドイツ連邦政府…
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週刊エコノミスト
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