「自分で決める権利」の日仏差=花木伸行
有料記事
他人の影響を受けやすい日本人
新型コロナウイルス禍で日本人の多くがマスクをするのは「みんなが着けているから」──。同志社大学の中谷内一也教授(社会心理学)らのチームは昨年8月、こんな結果をまとめた論文を発表した。同年3月、1000人の男女を対象にインターネットを通じてアンケート調査した結果、マスクの着用頻度に最も影響を与えているのは「人が着けているから」で、「自分の感染防止」や「他人の感染防止」を上回ったという。
周りの人に合わせようとする行動は、行動経済学で「同調バイアス」と呼ばれる。周りに合わせることで、社会的な制裁や「自粛警察」のような同調の強要行為の対象となるのを避けたい側面もあるのだろう。しかし、平均的な日本人は、他の国の平均的な人に比べて自らの考えで行動することをそれほど重要と考えていないのかもしれない。そんなことはないと思いたいが実際、どうなのだろう。
残り2078文字(全文2466文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める