教養・歴史アートな時間

舞台 文学座「昭和虞美人草」 夏目漱石の小説を翻案 ロックとつづる青春群像=濱田元子

撮影/佐藤克秋
撮影/佐藤克秋

 夏目漱石が明治の若者たちの人間模様を描いた小説「虞美人草」。1907(明治40)年、東大で教鞭(きょうべん)をとるのをやめ、朝日新聞に入社した漱石が初めて新聞連載した作品だ。職業的作家としての第1作である。

 虞美人草とはヒナゲシの別名。漱石は連載の予告で、植木屋で買った花の名前を「拝借」したことを明かし、その風情を「艶とは云(い)へ、一種、妖冶(ようや)な感じがある」と書いている。

 その「虞美人草」をベースにマキノノゾミが翻案し文学座に書き下ろした「昭和虞美人草」は、舞台を1973年、敗戦を経て高度経済成長を果たした昭和の日本に移した。

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