地球の重量の約3割 海の原始生物が作った鉄鉱石/40
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地球表面の7割は海で覆われているので「水の惑星」と呼ばれる。しかし、重量で見れば地球は「鉄の惑星」とも言える。というのは、地球の中心には鉄とニッケルの合金からなる核があり、地球全体の重量の3割を鉄が占めるからだ。
実は、鉄は地球内部に豊富にあるだけでなく、宇宙全体の中でも存在量が特異的に多い。これには理由がある。宇宙空間にある水素が核融合を起こした結果、炭素・酸素・窒素など多種の元素が誕生した。その中で一番安定した原子核をもつ鉄が宇宙に大量に残ったのだ。
46億年前に誕生したドロドロに溶けた初期地球で、密度の大きい鉄は中心部に沈んで核を作った。核を取り巻くマントルや地殻にも鉄は大量に含まれ、酸素、ケイ素(シリコン)、アルミニウムの次に多く存在する(図)。さらに鉄はケイ素や硫黄などの元素と結びつきやすいため、地上にある岩石のほとんどに含まれる。
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週刊エコノミスト
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