Interview 塩沢文朗 「石炭火力発電で20%混焼ならアンモニア1000万トン必要」
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政府でアンモニア発電の研究に携わった塩沢氏は、日本に技術優位性があり、海外市場にも拡大できると指摘する。
(聞き手=和田肇・編集部)
── 内閣府のアンモニア燃焼研究では、どのような成果が得られたか。
■アンモニアを発電用燃料に使うには、二つの課題があった。一つは、アンモニアは火が付きにくいので、燃焼器(バーナー)の中で安定的に燃焼できるか。もう一つは、アンモニアは分子に窒素を含むので、燃やすと大気汚染物質である窒素酸化物(NOx)が大量に出るのではないかという懸念だ。
火が付きにくい点は「スワールバーナー」という空気を旋回させて燃やす技術を使い克服した。NOxは元々アンモニアには還元効果があるので、アンモニアを燃焼させた時に、燃焼気体中のアンモニアをややリッチ(含有量多め)な状態に制御することで、生成するNOxを還元して排出を抑えられることが分かった。
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