表層海流と偏西・貿易風 地球全体の熱輸送を支配/41
有料記事
海の表面近くでは絶えず海水が流れている。海水の流れの中で表層をほぼ一定の速度で進む規模の大きい流れを海流と呼ぶ。海流は地球上の熱の移動に関して、上空にある大気の流れに勝るとも劣らない重要な機能を果たしている。例えば、海に近い地方で冬に暖かく夏が涼しいのは、海流によって運ばれる水の保温効果によるものである。
海流は温度によって区別され、周囲より高温のものを暖流、反対に低温のものを寒流と呼ぶ。日本列島の周辺では暖流の黒潮と寒流の親潮がよく知られている。こうした呼び方はいずれも相対的なものである。すなわち、低気圧や高気圧などと同じく、基準値と比べて高低を言うのではなく、周囲と比べて暖流もしくは寒流であると定義される。
残り912文字(全文1222文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める