教養・歴史書評

最後まで出会わない二人 その時までを克明に描く=孫崎享

    ×月×日

     映画「男と女」を見て、その優雅さに、これはハリウッドと違うと感激してからもう50年以上も経過してしまった。そして今、アントワーヌ・ローラン著『赤いモレスキンの女』(新潮クレスト・ブックス、1800円)を読んで、そのおしゃれな描写に触れて、「この小説はフランス以外では書けないだろうな」というのが一番強い読後感である。

     この本は男と女の恋の物語である。全部で174ページ。女が男を初めて実際に見るのが171ページ。二人が初めてキスをするのがその48時間後。そして最後のページで、二人はその日に「白い部屋のベッドの上で身体を重ねている」と描かれる。

    残り1031文字(全文1308文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    2月1日号

    需要大爆発 半導体 メタバース、グリーン、デジタル14 業界予測超える新次元成長 日本の期待は装置・材料 ■村田 晋一郎/斎藤 信世17 需要が爆発 世界的なデジタル、グリーン化 ■南川 明20 不足解消は? 最短22年春も常態化の懸念 ■戸澤 正紀21 インタビュー 貝沼 由久 ミネベアミツミ会長 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    編集部からのおすすめ

    最新の注目記事