家計消費喚起へ消費減税も一考=市岡繁男
有料記事
2020年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比年率12・7%増、2期連続のプラス成長となった。だが季節調整前の実質値を用いた前年比では5期連続のマイナス成長。つまり日本経済は19年10月の消費税増税以降、縮小する一方なのだ。
次にGDPの構成要素をみると、家計消費の割合は3回目の消費税増税直前の14年1~3月期をピークに減少し、20年10~12月期は51・5%と過去最低になった(図1)。
家計消費に帰属家賃(持ち家について、借家と同じサービスが発生するとみなす計算上の家賃)を含めるのは世界共通のルールだ。だが日本ではその割合が17%と大きいうえ(米国は10%強)、この1年で1%ポイントも増加した。そんな実体がない「みなし家賃」部分を除くと、GDPに占める家計消費の構成比は47%とやはり過去最低に落ち込む。
残り197文字(全文583文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める