新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 アートな時間

映画 水を抱く女 水の精が遭遇した命がけの恋 卓越した技で見せる霊異記だ=芝山幹郎

(c)SCHRAMM FILM/LES FILMS DU LOSANGE/ZDF/ARTE/ARTE France Cinema 2020
(c)SCHRAMM FILM/LES FILMS DU LOSANGE/ZDF/ARTE/ARTE France Cinema 2020

 ウンディーネ(仏語ではオンディーヌ)は水の精だ。ウンディーネには魂が欠けている。魂を得るためには人間の男と結ばれる必要があるが、裏切られたときはその男を殺して水に還らなければならない。

 フーケの小説やジロドゥの戯曲をはじめ、この神話は何度も文学や音楽の題材にされてきた。「水を抱く女」は、その最新版だ。監督は、「東ベルリンから来た女」(2012年)を撮ったクリスティアン・ペッツォルト。技の切れる人だけに、庖丁さばきに期待を抱いた。

 案の定、見せ方が巧い。神話を現代に移植し、悦楽と悲哀や妄想と執念を立体的に絡ませ、切り落とせる部分は大胆に省いて、観客をかどわかす。

残り951文字(全文1235文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

11月26日号

データセンター、半導体、脱炭素 電力インフラ大投資18 ルポ “データセンター銀座”千葉・印西 「発熱し続ける巨大な箱」林立■中西拓司21 インタビュー 江崎浩 東京大学大学院情報理工学系研究科教授、日本データセンター協会副理事長 データセンターの電源確保「北海道、九州への分散のため地産地消の再エネ [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事