教養・歴史書評

「色覚異常」の著者が探る 時に痛快なノンフィクション=高部知子

×月×日

 コロナ禍になってカミュの『ペスト』が売れているらしい。分かるなぁ。感染症に対峙(たいじ)した物語としてもそうだが、強烈に生死を意識してしまうことについてのカミュの実存主義も、こんな時代だからこそ改めて読み直してみたい衝動に駆られる。緊急事態宣言下のステイホームは、コタツで時々居眠りしながら大作に手を出すことができてしまう。

 今日選んだ本は『「色のふしぎ」と不思議な社会 2020年代の「色覚」原論』(川端裕人著、筑摩書房、1900円)。色の見え方に多方面から言及したノンフィクションだ。

残り1096文字(全文1345文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

3月28日号

東証再編1年 日本株の大逆襲18 大日本印刷、カナデン…… 本気出し始めた低PBR株 ■安藤 大介21 60年ぶり大改革の東証再編 「骨抜き」批判についに本腰 ■編集部23 スクリーニングで探す 株主還元が期待できそうな120銘柄26 プライム経過措置 適用企業の8割が基準未達 スタンダード移行の救 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事