新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

週刊エコノミスト Online コレキヨ

小説 高橋是清 第134話 西原借款=板谷敏彦

(前号まで)

 欧州大戦は膠着(こうちゃく)する。国内では政友会と憲政会の対立が続く。加藤高明率いる憲政会が内閣不信任案を提出、政党人を排した寺内超然内閣が揺らぎ始めている。

 西暦1840年の英国によるアヘン戦争から始まった列強による中国植民地化の動きも、清朝末期からその手法に変化が出てきた。

 アヘン戦争時に列強が欲したものは、交易ができる港だった。テクノロジーの最先端は蒸気船だった。しかし折から鉄道が発達してくると、鉄道とその周辺の農業、鉱工業などの産業支配が重要になってくる。権益が点から線へと変わってきた。

 列強は狙った地域の鉄道を支配するためにそれぞれが鉄道借款を行い、中国領内の鉄道の権益を確保するようになった。日本が日露戦争でロシアから租借権を譲渡された満鉄(南満州鉄道)などはその典型である。

残り2498文字(全文2852文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事