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小説 高橋是清 第135話 ロシア革命=板谷敏彦

(前号まで)

 欧州大戦の戦場から遠く離れた日本は輸出景気に沸き建国以来初めての対外債権国となる。中国政府への政治的借款を通じて山東半島の鉄道支配をもくろみ日本の大陸進出は加速する。

 欧州大戦開戦以来、ロシア軍は一時盛り返すこともあったが、全般にドイツ軍に対して劣勢だった。

 開戦の1年後にはドイツ軍による東方大攻勢で大きく戦力を毀損(きそん)して相当の領土を失うと、皇帝ニコライ2世は、従叔父である総司令官ニコライ大公を更迭し自分自身が総司令官についた。

 総司令官は首都サンクトペテルブルクを離れて800キロほど南の地にある大本営に単身赴任、この間首都ではドイツ系のアレクサンドラ皇后が怪僧ラスプーチンの影響下にあり、国内政治は乱れた。

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