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1987年とよく似た米債券下落ペース=市岡繁男

 米長期金利の上昇が加速し始めた。問題はその上昇ピッチの速さで、債券先物価格は昨年8月からの7カ月間で13%も下落している(金利は上昇)。同様の事態は1987年にもあり、その金利上昇は株価大暴落(ブラックマンデー)で終止符が打たれた。当時と現在の債券先物の値動きは似通っており(図1)、今のペースで金利が上昇すると、5月中旬に株価が崩落するイメージだ。

 もっとも長期金利はまだ1・5%台であり、筆者が注視する10年移動平均線(現在は2・1%)までは余裕がある。このラインは米長期債を継続的に購入する機関投資家の平均コストで、それ以上に金利が上がるなら債券の含み益は失われ、株式などリスク資産への投資は縮小せざるを得なくなる。だが、今はそこまではいっていない。

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