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世界景気浮沈の鍵は中国が握る=市岡繁男

 中国の実質GDP(国内総生産、2019年)は世界の17%を占める。だが、それ以上に注目すべきは、その構成項目である総固定資本形成(設備投資)の大きさで、10年以降、米国を抜いて世界最大の割合(約28%)を占める(図1)。そして、その過程で設備投資に不可欠な原材料の需要が増大し、それらのシェアで中国は軒並み世界の過半数を超えるに至った。

 例えば、中国の銅消費量は世界の50%超で1920年代の米国(58%)以来の占有率だ(図2)。セメント生産量も世界の54%を占めるが、同国が21世紀の19年間に使ったセメントは、米国が20世紀の100年間に消費した8倍にもなる。今や世界景気浮沈の鍵は米国ではなく中国が握っていると言えよう。

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