10兆円支援措置や増税策 英国経済をよみがえらせるか=増谷栄一
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英政府は2月22日、新型コロナ感染拡大阻止のロックダウン(都市封鎖)を終わらせるための4段階のロードマップ(行動計画)を発表し、6月までに日常生活への復帰を目指す。一方、リシ・スナク財務相は3月3日、下院で、ロックダウンで甚大な経済損失を受けた英国経済の復活のカギを握る2021年度(21年4月~22年3月)予算原案を発表した。これは英国経済が300年以上ぶりの大幅マイナスとなった昨年の成長率(マイナス9・9%)からの脱却プランだ。
新年度予算案の目玉は650億ポンド(約10兆円)の追加支援措置で、感染拡大で営業休止を余儀なくされた企業への経営支援や、一時帰休者への給与支援に充当される。これまでの財政支援を含めると、総額4070億ポンド(約61兆円)超に達する。一方、政府は財政均衡を回復させるため、今後数年間、企業や200万人の納税者を対象に増税措置も同時に講じる。この結果、25年度(25年4月~26年3月)の税負担は対GD…
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週刊エコノミスト
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