映画 ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに=野島孝一
有料記事
ついに発効した核兵器禁止条約 被爆者の闘いのドキュメンタリー
2017年のノーベル平和賞授賞式で、車椅子で式典に臨み、感謝のスピーチをしたカナダ在住の日本人女性、サーロー節子さんを覚えているだろうか。肝っ玉かあさんと見まがうようなふっくりした節子さんが、英語で堂々と広島での被爆体験を語る姿に、世界中の人々が温かい拍手を送った。このドキュメンタリー映画は、核兵器廃絶のために、すべてを投げうって訴えかけてきた節子さんの生きざまを追って作られた。
核兵器を「非人道的で違法」とする国連の核兵器禁止条約が今年1月22日に発効した。この運動を先導したのが国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)で、サーロー節子さんはその主要メンバーだ。ICANを代表してノーベル平和賞授賞式に出席した節子さんだったが、米英仏露中の核保有大国をはじめとする多くの国々の反応は冷ややかだった。残念ながら唯一の被爆国の日本もその中に含まれていた。
残り822文字(全文1237文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める