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資源・エネルギー 鎌田浩毅の役に立つ地学

文明も滅ぼす威力 縄文の南九州を襲った鬼界噴火/47 

 地震と噴火はどちらが自然災害としての影響が大きいだろうか。巨大地震は広範な地域にダメージを与えるが、巨大噴火は文明そのものを滅ぼすことがある。考古学的な研究によると、噴火で文明が滅びた例が数多く見つかっている。

 日本列島で起きた最新の巨大噴火は、鹿児島の沖合で7300年前に発生した鬼界(きかい)カルデラの噴火である(図)。海底での巨大噴火が特殊な状況を生み出した。噴出した火砕流は、残された堆積物の厚さの割には異常に遠くまで流れた。また火山灰も非常にフワフワした物質からなり、遠く1200キロも離れた福島あたりまで飛来した。

 高温の火砕流は、当時の南九州に暮らしていた縄文人を直撃した。彼らが何千年にもわたって育んできた縄文文化を壊滅させたことが、集落遺跡の調査から分かっている。

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