当事者性の徹底追求で非当事者の特性も顕在=荻上チキ
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臨床心理や、何らかの障害・困難にある当事者の生きづらさについて学ぶ「当事者研究」。そうした本を好んで読むのだけれど、この読書体験はすこぶる豊かに感じる。自分とは違う他人を理解しようとするための技法を提供してくれるだけでなく、自分がこれまで、どのように人と接してきたかという、その思想性を転換させられるため。
特定の障害や疾病の当事者だけでなく、その当事者性への追求を通じて、「当事者でない人」とされてきた人の特性さえもあぶり出されていく。そんな本と、また、2冊出会った。『発達系女子とモラハラ男』(鈴木大介著、漫画/いのうえさきこ、晶文社、1650円)は、高次脳機能障害になった著者と、発達障害のあるパートナーとの日常をつづった漫画付きエッセー。「片付けられない」「話をまとめられない」「疲れやすい」といっ…
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週刊エコノミスト
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