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投資・運用 不動産コンサル長嶋修の一棟両断

実態と異なる「住宅寿命」説/92

適切な点検や修繕をすれば、住宅の寿命は延びる 筆者提供
適切な点検や修繕をすれば、住宅の寿命は延びる 筆者提供

「住宅の寿命は30年」。なんとなく私たちが思い込まされてきたこうした言説は、実態とは全く異なる。

 国土交通省によれば、「木造住宅の寿命は27年または30年」「マンション(RC=鉄筋コンクリート造)は37年程度」としていることが多い。ところがこうした数字は、実態を反映した数字とはとてもいえない。例えば「木造住宅の寿命27年」説の根拠とは「取り壊した住宅の平均築年数」。現実には、築40~50年、あるいはもっと経過してもまだ利用されている建物も無数にあるのを皆さんもご存じだろう。次に「木造住宅寿命30年」説の根拠は「ストック(現存する住宅数)をフロー(新築数)で割ったもの」。つまり「サイクル年数」という概念を使って、便宜的に求めただけ。したがってこれも木造住宅の寿命を現実に即し表しているわけではない。

「マンションの寿命37年」説の根拠もやはり「建て替えをしたマンションの平均築年数」。築年数がもっと経過したマンションはたくさんあり、これもやはり寿命を表したものとはいえない。

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