新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 鎌田浩毅の役に立つ地学

地表の7割を覆う玄武岩 「枕状溶岩」で分かる地球の過去/50

静岡県大崩海岸に露出する1600万年前に噴出した枕状溶岩 筆者撮影
静岡県大崩海岸に露出する1600万年前に噴出した枕状溶岩 筆者撮影

 地球上で一番広い面積を覆う岩石は、玄武岩と呼ばれる黒っぽい色の火山岩である。地表の7割は海、また3割は陸からなるが、海底の岩盤はすべてこの玄武岩でできている。例えば、太平洋や大西洋の深海底にある「中央海嶺(かいれい)」では、玄武岩が大量に噴出して「地殻」を作っている。

 玄武岩は陸上にも見られ、上面が平坦(へいたん)な「溶岩台地」を作っている。インドのデカン高原、北アメリカのコロンビア川流域、南アメリカのパタゴニア地方などが有名だ。

 日本では、兵庫県の玄武洞、佐賀県の唐津、富士山などに広く玄武岩が存在する。玄武岩は地上に噴出すると薄く広がる性質があり、富士山の美しい円すい形はこうしてできた。さらに火星や金星にも多量に存在し、月の表面で黒くみえる部分は玄武岩の溶岩が流れた跡である。

残り953文字(全文1297文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事