新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

資源・エネルギー 鎌田浩毅の役に立つ地学

磁場逆転の地層「チバニアン」 地球史の一時代となった快挙/51

チバニアンの命名のもとになった千葉県市原市の地磁気逆転地層
チバニアンの命名のもとになった千葉県市原市の地磁気逆転地層

 地球のN極とS極は過去に何回も入れ替わってきたが、その最後の記録が千葉県市原市にある。今から77万年前に磁場が逆転していたことを示す地層で、世界の地質学者の会議である国際地質科学連合が「チバニアン」と呼ぶことを昨年1月に最終承認した。ラテン語表記に従った学術用語で「千葉時代」という意味である。

 地球の歴史は46億年に及ぶが、生物の繁殖と絶滅をもとに大きく時代分けされてきた。学校で習った「古生代」は生物の95%が大規模な火山活動などで絶滅したことで終了し、「中生代」は恐竜が宇宙から飛んできた1個の隕石(いんせき)衝突で滅びた時代である。

 これらの時代はさらに細分され、各時期の代表的な地層が露出する地名で呼ぶ決まりになっている。生物の大量絶滅や環境激変などの節目ごとに117の時期に分かれていて、三葉虫が海中を泳いでいた「カンブリア紀」や、恐竜が陸上を闊歩していた「ジュラ紀」のように、17世紀に近代地質学が誕生したヨーロッパの地名を付けたものが多い。一方、これらの地質時代の中で、まだ命名されていない時代が10ほどあった。

残り808文字(全文1273文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事