「追い込まれ解散」に焦りなし 与党の関心は「菅おろし」の有無=中田卓二
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新型コロナウイルスの変異株が広がって「まん延防止等重点措置」が東京都などに追加適用され、菅義偉首相が4月に衆院解散に踏み切る可能性は消えた。解散権を行使するタイミングは次第に限られつつあるが、与党に不利とされる「追い込まれ解散」を菅首相が気にしている節はない。
与党議席減のジンクス
追い込まれ解散が政治に劇的な変化をもたらしたのは2009年の衆院選だ。前年9月に就任した麻生太郎首相(当時)は解散を先送りし続けたあげく、衆院議員の任期満了が迫った09年7月にようやく解散に踏み切った。09年8月の選挙で自民党は歴史的敗北を喫し、旧民主党政権が誕生したのは周知の通りだ。
3年3カ月あまり後の12年12月に行われた衆院選では、逆に旧民主党が下野した。前段には、野田佳彦首相(当時)が自民党の安倍晋三総裁(同)との国会の党首討論で解散を「約束」するハプニングがあり、これも追い込まれ型の一つといえるだろう。
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週刊エコノミスト
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