携帯割安プラン開始 売り上げ減少必至 問われる他事業展開=佐野正弘
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2020年末から大きな話題をさらってきた携帯大手3社のオンライン専用の割安プラン。21年3月17日にソフトバンクの「LINEMO(ラインモ)」がサービスを開始したのを皮切りに、KDDIの「povo(ポヴォ)」、NTTドコモの「ahamo(アハモ)」が相次いで開始した。
中でもアハモは、3月26日のサービス開始直後の申し込みが殺到してSIMカードの出荷が追いつかず、番号ポータビリティー(持ち運び)の受け付けを一時停止するなど大きな混乱が起きたが、それだけ関心が高い様子を見て取ることができた。一方でポヴォは、3月23日0時の深夜にサービスを開始したことも影響してか、サーバーダウンなどのトラブルは起きておらず、裏を返すと顧客の関心がやや弱い印象も受けた。
それゆえ開始当初の時点ではNTTドコモがやや優位と見られるのだが、一方で自社のメインブランドの高額な料金プラン利用者が、節約のためオンライン専用プランに乗り換えるケースも相当数に上ることから、3社とも売り上げの大幅な減少は避けられない。そもそもオンライン専用プランは、携帯料金値下げに執心する菅義偉政権の意向が強く働いて生まれたものだけに、この競争で勝ち組となる企業はないというのが筆者の見方だ。
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週刊エコノミスト
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