週刊エコノミスト Onlineコレキヨ

小説 高橋是清 第141話 原敬と鉄道=板谷敏彦

(前号まで)

 パリ講和会議に参加した日本全権団は、南洋諸島の割譲、山東省のドイツ利権の譲渡などを要求する。山東省問題でアメリカが妥協すると、中国から大きな反発の声があがる。

 大正7(1918)年12月、寺内正毅内閣から政権を引き継いだ立憲政友会(以下政友会)の原敬内閣は最初の議会、第41議会を迎えた。

 政友会は野党の時から四大政綱、すなわち教育の改善整備、交通通信機関の整備拡充、産業および通商貿易の振興、そして国防の充実を唱えている。政権を獲得した今こそ、これらの政策を実現し、地方基盤の強化に努め、元老重臣、官僚との腐れ縁を清算して、真の政党政治を確立したいところだった。

残り2512文字(全文2801文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事