独気候保護法は「部分的に違憲」 連邦憲法裁、議会選挙にも影響へ=熊谷徹
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ドイツ連邦憲法裁判所は4月29日、「2019年に施行された気候保護法の内容は不十分であり、部分的に違憲」との判決を下し政界・経済界に衝撃を与えた。
ドイツの日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』は4月30日付紙面で「気候保護法は30年の二酸化炭素(CO2)排出量を1990年比で55%減らし、50年までに(温室効果ガス排出量を実質ゼロにする)カーボンニュートラルの達成を義務付けている。そのために同法は、30年までにエネルギー業界、工業界などが毎年排出するCO2の上限値を明記している。だが同法は、30年以降の具体的な上限値などを明記していない。連邦憲法裁は、重大な手落ちと批判した」と報じた。
FAZによると、連邦憲法裁は「同法に50年までのCO2削減策が示されていないために、将来の世代が今以上にCO2削減のための努力を強いられ、負担が増える危険がある。彼らの基本権が、今日の市民よりも大きく制限されるのは不当であり、この法律は部分的に違憲だ」と結論付けた。裁判官たちは政府に対し、来年末までに気候保護法を改正するよう命じた。
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週刊エコノミスト
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