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教養・歴史 著者に聞く

どうする? 貧困、介護、育児。「ベーシックアセット」という新視点=宮本太郎

『貧困・介護・育児の政治 ベーシックアセットの福祉国家へ』

 ◆著者 宮本太郎さん(中央大学法学部教授)

福祉改革を仕切り直すための新しい視点

 貧困、介護、育児。いずれも待ったなしの課題だが、3分野が1冊で提示されると、現代日本の苦境の基本構造が浮かび上がってくる。

「この30年、3分野で大きな福祉改革が進められてきたにもかかわらず、なぜ行き詰まるか、どう仕切り直すか。これが本書の基本テーマです。三つの改革は通常バラバラに扱われますが、一緒に捉えるといろいろなことが見えてきます。割合にうまくいっていた介護保険が貧困の拡大で回らなくなり、育児支援も低所得世帯に届きません」

 介護は当事者になる人の数も多く、介護保険は先行制度がなかったために市民運動が力を発揮し、社会保険にできた。そうした変化のうねりが貧困と育児には見えてこない。

残り908文字(全文1272文字)

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