「ダメ。ゼッタイ」は逆効果。薬物で苦しむ人を本当に支援するには?=黒崎亜弓
有料記事
◆著者 松本俊彦さん(精神科医)
著者に聞く 『誰がために医師はいる』 著者・松本俊彦さん
真の薬物対策とは痛みを抱えた人の支援
「ダメ。ゼッタイ。」は、薬物乱用防止キャンペーンで長く掲げられてきた標語だ。一度使うと抜け出せないから、手を出してはいけない──。この標語がむしろ、薬物依存症患者の回復を妨げると本書で突きつけられ、これまで疑いもしなかった“正しさ”が揺らぎ始めた。
「啓発ポスターでは、薬物を使う人をゾンビのように描いたりします。そこから発せられるのは、『薬物を使うような奴は排除してもいい』というメッセージです」
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週刊エコノミスト
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