映画ならではのビジュアル技法満載 葛飾北斎の生涯描くエンタメ快作=勝田友巳
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映画 HOKUSAI 苦悩よりカタルシスの娯楽大作 「天才絵師」誕生の瞬間を活写=勝田友巳
芸術家、中でも画家の生涯は映画と相性がいい。天才が時流に逆らって自らが信じる美を探求して破滅したり、理想と現実の狭間(はざま)で葛藤したりといった姿に加え、一枚の絵が描かれる過程は、心理的にも映像としても劇的だ。絵画の長く豊かな伝統のある欧州には、素材も秀作も事欠かない。
日本だって負けていないはずだが、画家の伝記映画は意外と見当たらない。例外は浮世絵師で、本作の主人公葛飾北斎もこれまで何度も映画になっている。90年の長い生涯に3万点にも及ぶ絵と数々の逸話を残した。映画にはうってつけだが、謎の多い人物でもあり、どう造形するかが腕の見せどころだ。
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