転落と流転と悪事と 三者がからみ合う鶴屋南北の人気作=小玉祥子
有料記事
舞台 六月大歌舞伎 桜姫東文章 下の巻 転落と流転と悪事と 三者がからみ合う南北の人気作
東京・歌舞伎座の「四月大歌舞伎」では、「桜姫東文章 上の巻」で、片岡仁左衛門が36年ぶりに権助と清玄の二役に挑み、坂東玉三郎の桜姫と組んで話題となった。そのクライマックスとなる「下の巻」が、六月の歌舞伎座の第二部で上演される。
四世鶴屋南北作で文化14(1817)年に初演されて好評を博したが、長く上演が途絶えていた。昭和に入って数度上演され、面白さを知らしめたのが、1967年の郡司正勝補綴(ほてつ)・演出による国立劇場公演。四世中村雀右衛門が桜姫、十四世守田勘弥が清玄、八世坂東三津五郎が権助を演じた。1975年に郡司本で花形俳優の玉三郎の桜姫、仁左衛門(当時孝夫)の権助、十二世市川團十郎(当時海老蔵)の清玄で上演される…
残り918文字(全文1276文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める