教養・歴史アートな時間

コロナ禍の今、なつかしの風景にひたりたい 「新版画」川瀬巴水の世界=石川健次

≪旅みやげ第二集 金沢下本多町≫ 1921年 36.4×24.1cm 荒井寿一コレクション
≪旅みやげ第二集 金沢下本多町≫ 1921年 36.4×24.1cm 荒井寿一コレクション

美術 荒井寿一コレクション 川瀬巴水展=石川健次

どこかで見た、なつかしい景色 精緻を極め、情緒にあふれる

 どこかで見た、なつかしい景色のようだと思った。図版の作品だ。そんな印象を抱く風景版画とたくさん出会った。旅行もままならない今、この会場で出かけた気分に浸るのもありかと、ひとり寡黙に作品を味わいつつ思う。

 江戸時代に絶頂を誇った浮世絵版画は、明治には写真など多様化するメディアのなかで輝きを失う。だが大正から昭和前期にかけて、版元の渡辺庄三郎が提唱した「新版画」が、伝統的な木版画に新風を吹き込んだ。絵師、彫師(ほりし)、摺師(すりし)の三者分業という浮世絵版画の伝統を活かし、何より絵師を、その意を最大限尊重し、芸術性の高い木版画の創作を試みた。

残り1005文字(全文1331文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

2月14日号

どうする?どうなる?日銀大検証16 岸田政権「インフレ抑制」へ 10年ぶり総裁交代で緩和修正 ■浜田 健太郎19 インタビュー 軽部謙介 帝京大学教授・ジャーナリスト 日銀が甘くみた内閣の力 「安倍1強」に内部ひょう変21 「 ガラパゴス」日銀 市場機能をマヒさせた「看守」 低金利慣れの財政に大打撃 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事