教養・歴史鎌田浩毅の役に立つ地学

「脱炭素」を考える/2 大気と海水の間でも大循環/54

 世界各国で急速に進んでいる脱炭素やカーボンニュートラル(炭素中立)の動きを考えるうえで、地球上で大規模に行われている「炭素循環」という現象への理解は欠かせない。前回は地球内部の「固体地球」での炭素循環を扱ったが、今回はその上位で行われる「流体地球」の炭素循環を解説しよう。

 固体地球の内部では総重量の8割を占めるマントルが対流運動を起こし、ホットプルームと呼ばれる炭素を含む巨大な岩石の塊が地表へ向けてゆっくりと上昇する。地学で「プルーム・テクトニクス」と呼ばれる地球深部の大規模な変動現象だが、同時に地球表面を覆っている冷たく硬いプレート(岩板)を水平方向へ動かしてきた。

 例えば、「大陸移動」はこうした「プレート運動」よって起こり、「長尺の目」で見れば地球表面の物質は絶えず置き換えられてきた(本連載「第38、39回」参照)。炭素はその際、固体地球の上面で接する流体地球へと大量に供給されてきたのである。

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