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小説 高橋是清 第146話 参謀本部廃止論=板谷敏彦

(前号まで)

 シベリア出兵において陸軍は政府に従わず独断の行動を重ねる。株式バブルは崩壊、膨大な戦費は財政問題となり是清は非難にさらされる。苦渋の日々が続く中、親友ヤコブ・シフの訃報が届く。

 大正9(1920)年9月27日、是清は無二の親友ヤコブ・シフの死亡を知らせる電報を受け取った。この当時体が弱って温泉療養を終えたばかりの是清にとってあまりに大きな衝撃だった。

 是清はシフの死を通じて自身の老いと寿命を意識した。今こそ政治家としてやるべきことがあるのではないかとこみ上げるものがあった。

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