小説 高橋是清 第147話 山県有朋=板谷敏彦
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親友ヤコブ・シフの訃報に衝撃を受け老いと寿命を自覚した是清は、構想を固めていた政策提案『内外国策私見』を書き上げる。是清の参謀本部廃止論は軍部を刺激する。
大正9(1920)年10月、元老の山県有朋は田中義一陸軍大臣から参謀本部廃止論が書かれた高橋是清大蔵大臣の印刷物が出回っているのを知り少し興奮した。
これは陸軍を慣行上支配してきた山県の聖域を侵すものだった。では、参謀本部廃止論とは、当時それほど突飛な意見だったのだろうか。
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週刊エコノミスト
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