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教養・歴史 アートな時間

「国家」と「個人」の論理 軍需工場を舞台に問う=濱田元子

2020年4月舞台稽古風景 宮川舞子撮影
2020年4月舞台稽古風景 宮川舞子撮影

舞台 新国立劇場「反応工程」 「国家」と「個人」の論理 軍需工場を舞台に問う=濱田元子

〈戦争の大義はすでに残骸と化していた。タテマエの世界は瓦解(がかい)し、ホンネが白昼を横行しはじめていた。国家の原理が死に、私の原理が顔を見せはじめていたのである〉

 戦後の日本演劇界を代表する劇作家、宮本研(1926~88年)。終戦間際、動員先の九州の軍需化学工場で、供出されずにいた機械を目の当たりにした。会社は終戦後を見越して、再び染料を作るための準備を進めていたのだ。

 後年、エッセー「8・15と私の原理」(81年)に、当時の思いをしたためている。

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