教養・歴史アートな時間

「国家」と「個人」の論理 軍需工場を舞台に問う=濱田元子

2020年4月舞台稽古風景 宮川舞子撮影
2020年4月舞台稽古風景 宮川舞子撮影

舞台 新国立劇場「反応工程」 「国家」と「個人」の論理 軍需工場を舞台に問う=濱田元子

〈戦争の大義はすでに残骸と化していた。タテマエの世界は瓦解(がかい)し、ホンネが白昼を横行しはじめていた。国家の原理が死に、私の原理が顔を見せはじめていたのである〉

 戦後の日本演劇界を代表する劇作家、宮本研(1926~88年)。終戦間際、動員先の九州の軍需化学工場で、供出されずにいた機械を目の当たりにした。会社は終戦後を見越して、再び染料を作るための準備を進めていたのだ。

 後年、エッセー「8・15と私の原理」(81年)に、当時の思いをしたためている。

残り983文字(全文1253文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月4日号

徹底攻略 新NISA22 使わないともったいない 口座開設から運用まで解説 ■加藤 結花/白鳥 達哉/深野 康彦28 プロのNISA 指南1 シニア層なら「家計の一助」に 生活用品優待銘柄を狙え  ■大山 弘子30 プロのNISA 指南2 インデックス投信でコツコツ取り崩さず積み立て ■篠田 尚子3 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事