コロナ禍の雇用喪失と労働力不足 矛盾する現象を巡る米国の論争=岩田太郎
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米労働省が5月7日に発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比26万6000人増と、市場予想の100万人増を大幅に下回る伸びとなった。こうした中、企業側は働き手を十分に確保できない労働力不足を訴えており、「コロナ禍以前と比較して800万~1000万人の雇用が失われたまま」という状況下で労働力が不足するという、一見矛盾した現象が見られる。米論壇では、この労働力不足の原因や処方箋を巡る議論が続いている。
雇用者側団体の全米商工会議所は6月1日発表の報告書で、「州や自治体レベルの商工会議所の90%以上が、労働力不足により各地方の経済の足が引っ張られていると訴えている」と指摘。同商議所のスザンヌ・クラーク会頭は報告書で、「労働不足は本物であり、日々状況が悪化している」と述べた。
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週刊エコノミスト
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