国際・政治東奔政走

菅政権にはびこる「トランプ病」、沖縄への不誠実ここに極まれり=平田崇浩

埋め立て工事が進む辺野古沖。沖縄戦で犠牲になった人々の遺骨が残る本島南部の土砂を埋め立てに使う計画が持ち上がっている。(2020年12月12日)
埋め立て工事が進む辺野古沖。沖縄戦で犠牲になった人々の遺骨が残る本島南部の土砂を埋め立てに使う計画が持ち上がっている。(2020年12月12日)

政権にはびこる「トランプ病」 極まる沖縄への不誠実=平田崇浩

 沖縄戦の戦没者を追悼する「慰霊の日」(6月23日)が今年も訪れる。糸満市の平和祈念公園で営まれる沖縄全戦没者追悼式は昨年に続き新型コロナウイルス対策で規模が縮小されるため、菅義偉首相の参列はなし。それは仕方ないにしても、米中新冷戦が激化する国際情勢が例年にも増して重苦しく沖縄にのしかかる。

 76年前のこの日、3カ月に及んだ地上戦は終結したものの、沖縄はその後も27年間にわたって米国の統治下に置かれ、共産圏(旧ソ連、1949年建国の中華人民共和国など)と対峙(たいじ)する冷戦の最前線で核戦争の危機にさらされ続けた。そして今再び新冷戦の激化によって、沖縄は対中国の前衛を担わされようとしている。

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